無罪を訴えて半世紀…「名張毒ぶどう酒事件」奥西勝が死亡していた




1961年の「名張毒ぶどう酒事件」。死刑が確定してから約半世紀、獄中で無罪を訴え続けた奥西勝さんが亡くなられました。司法制度の在り方が問われる事件です。

■「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝死刑囚が亡くなる


享年89歳。

三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝死刑囚(89)
出典 名張毒ぶどう酒・奥西死刑囚が死亡…再審請求中 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

4日、東京都八王子市の八王子医療刑務所で死亡した。89歳だった。
出典 名張毒ぶどう酒事件の奥西死刑囚が死亡 89歳  :日本経済新聞

平成24年に発熱や肺炎症状のため、名古屋拘置所から外部の病院に入院後、八王子医療刑務所に移された。
出典 【名張毒ぶどう酒事件】奥西勝死刑囚(89)が死亡 – 産経WEST

刑務所から面会することを許されている特別面会人の稲生昌三さんは産経新聞の取材に「再審に向けて頑張ってきたのに、無念でならない」と話した。
出典 【名張毒ぶどう酒事件】奥西勝死刑囚(89)が死亡 – 産経WEST

■「名張毒ぶどう酒事件」とは?


1961年3月、ぶどう酒に農薬を混入し5人を中毒死させた事件。
出典 www.amazon.co.jp

61年3月、三重県名張市の公民館で開かれた地域の懇親会で、参加者のぶどう酒に農薬を混入。
出典 名張毒ぶどう酒・奥西死刑囚が死亡…再審請求中 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」
出典 【名張毒ぶどう酒事件】奥西勝死刑囚(89)が死亡 – 産経WEST

12人を中毒症状に陥らせたとして、殺人罪などで逮捕、起訴された。
出典 名張毒ぶどう酒・奥西死刑囚が死亡…再審請求中 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

逮捕された奥西は「警察に自白を強制された」と訴え、無実を主張。
出典 物語 | 映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』公式サイト

一審・津地裁は奥西死刑囚を無罪、二審・名古屋高裁は逆転死刑判決
出典 名張毒ぶどう酒事件の奥西死刑囚が死亡 89歳  :日本経済新聞

72年に最高裁で死刑が確定した。
出典 名張毒ぶどう酒事件の奥西死刑囚が死亡 89歳  :日本経済新聞

■ドラマ・映画化もされた有名な事件


奥西勝役:仲代達矢
(若き日の奥西勝:山本太郎)
母奥西タツノ役:樹木希林
ナレーター:寺島しのぶ
出典 www.amazon.co.jp

2012年東京ドラマアウォード・ローカル・ドラマ賞を受賞
出典 名張毒ぶどう酒事件 – Wikipedia

映画では、「名張毒ぶどう酒事件」を題材に、独房の奥西、息子の無実を信じ続けた母・タツノ、面会室のガラスを挟んで応援し続ける特別面会人・川村富左吉らの姿をドラマで描き出す。
出典 東海テレビ | 約束

さらに東海テレビが取材を続けた貴重な映像を交えながら事件を振り返り、孤独な闘いを続ける奥西の姿を描いていく。
出典 東海テレビ | 約束

2013年2月から再編集版が映画として公開されている。なお仲代は初日舞台挨拶にて、奥西は冤罪であるとの見解を示している
出典 名張毒ぶどう酒事件 – Wikipedia


映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』予告編

映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』公式サイト

■約半世紀も再審棄却が繰り返された異例の事件


争点となり続ける農薬の鑑定。
出典 amanaimages.com

第7次再審請求で、弁護団は奥西死刑囚が「犯行に使った」と自白したニッカリンTの鑑定結果など5点の新証拠を提出。
出典 名張毒ぶどう酒・奥西死刑囚が死亡…再審請求中 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

平成17年、名古屋高等裁判所は「犯人と認めることはできない」として、再審
出典 名張毒ぶどう酒事件 奥西死刑囚が死亡 NHKニュース

高裁の別の裁判長が取り消し、さらに最高裁判所が審理のやり直しを命じるという、異例の経過
出典 名張毒ぶどう酒事件 奥西死刑囚が死亡 NHKニュース

弁護側の特別抗告を受けた最高裁は、審理を差し戻したが、名古屋高裁は12年5月、改めて再審請求を棄却。
出典 窓外に思いはせ46年=「自分の脚で出る」—名張毒ぶどう酒事件・奥西死刑囚 – BIGLOBEニュース


現在も係争中(第9次審理)
出典 amanaimages.com

去年5月、名古屋高裁は8度めの再審請求を退け、裁判のやり直しを認めない決定
出典 毒ぶどう酒事件死刑囚死亡 半世紀無罪訴え| ytv 読売テレビ ニュース&ウェザー

現在は第9次請求に対する審理が行われている。
出典 名張毒ぶどう酒・奥西死刑囚が死亡…再審請求中 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

事件当時、ぶどう酒の成分を分析するため行われた鑑定の再現実験結果など8点を新証拠として提出。
出典 【名張毒ぶどう酒事件】新証拠8点で第9次再審請求 第8次請求の特別抗告は取り下げ – 産経WEST

これらを基に、(1)ぶどう酒に混入されたのは奥西死刑囚が自白した農薬「ニッカリンT」ではなかった(2)奥西死刑囚以外にも犯行機会があった(3)酒瓶の王冠に残っていた歯形は奥西死刑囚のものではなかった-と主張
出典 【名張毒ぶどう酒事件】新証拠8点で第9次再審請求 第8次請求の特別抗告は取り下げ – 産経WEST

■奥西勝は獄中で無罪を訴え続けた


3年前から体調を崩し、危篤状態を経て冤罪を訴え続けたという。
出典 amanaimages.com

06年に同高裁の別の部が検察の異議を認め、決定は取り消しに。直後に帯状疱疹(ほうしん)を発症、痛みと執行の悪夢にさいなまれる数カ月を送った。
出典 窓外に思いはせ46年=「自分の脚で出る」—名張毒ぶどう酒事件・奥西死刑囚 – BIGLOBEニュース

3年前に名古屋拘置所から東京の八王子医療刑務所へ移送され、人工呼吸器をつけて治療
出典 名張毒ぶどう酒事件 奥西死刑囚が死亡 NHKニュース

46年の大半を名古屋拘置所(名古屋市)で過ごし、独房から冤罪(えんざい)を訴え続けた。
出典 窓外に思いはせ46年=「自分の脚で出る」—名張毒ぶどう酒事件・奥西死刑囚 – BIGLOBEニュース

晩年は、稲生さんの計らいで年1200通ほど届く全国からの励ましの絵手紙を「心の食べ物」「元気の糧」と呼び楽しみにしてきた。
出典 窓外に思いはせ46年=「自分の脚で出る」—名張毒ぶどう酒事件・奥西死刑囚 – BIGLOBEニュース

死刑囚としての収監期間は43年間に及んだ。
出典 名張事件の奥西死刑囚が死亡 無実の訴え、半世紀以上

▼この事件には様々な意見

アムネスティ・インターナショナルは、1961年に発足した世界最大の国際人権NGO。

■日本の司法制度の在り方を考える機会に


死刑は本当の償いになるのか。
出典 www.gettyimages.com

奥西死刑囚は死刑確定から40年以上たつ、世界でも最高齢の死刑囚の1人
出典 「名張毒ぶどう酒事件」奥西勝死刑囚の再審請求認められず 海外が指摘した司法制度の問題点

弁護側は8回目の再審請求を申し立てる方針を明らかにしているが、このプロセスには数年を要する。
出典 「名張毒ぶどう酒事件」奥西勝死刑囚の再審請求認められず 海外が指摘した司法制度の問題点

つまり今回の最高裁の決定は、老齢か死刑執行により、同死刑囚が刑務所で死ぬことを意味する。
出典 「名張毒ぶどう酒事件」奥西勝死刑囚の再審請求認められず 海外が指摘した司法制度の問題点

世界の7割で廃止となった今、1人ひとりが、死刑はどんな刑罰なのか、立ち止まって考える時が来ているのではないか。
出典 罪と罰 ~誰が、なんのために、死刑という制裁を科すのか〜 | アムネスティ日本