「最後の晩餐だけではなかった…」有名絵画にみる謎7選




アルカディアの牧人たち、ラス・メニーナス、プリマヴェーラ、牛乳を注ぐ女、アルノルフィーニ夫妻の肖像、ダイヤのエースを持ついかさま師、ブランコ。有名絵画にまつわる不思議な話のまとめです。

★アルカディアの牧人たち

ニコラ・プッサン(フランス)
楽園アルカディアで、墓石の周囲にたたずむ4人の人物(羊飼い)を表している。石碑に刻まれるているのは「Et in Arcadia ego…」エト・イン・アルカディア・エゴ

墓石にはラテン語で「エト・イン・アルカディア・エゴ」Et in Arcadia ego という銘があり、画中の人物たちはこの銘文の意味を知ってとまどっているように見える。
出典 ニコラ・プッサン – Wikipedia

「アルカディアにもわれあり」と刻まれている。「われ」とは死を指し、理想郷にも死は訪れるという中世以来の「死を思え」の教訓
出典 アルカディアの牧人たち プッサン

しかし…

「我、アルカディアにもあり(Et in Arcadia ego…)」を並べ替えると「立ち去れ、私は神の秘密を隠した(I Tego Arcanadei)」と別の意味の文章が成立することが指摘されている。
出典 http://www.salvastyle.com/menu_classicism/poussin_arcadie.html

『ダ・ヴィンチ・コード』のモチーフとなったレンヌ・ル・シャトーを巡る謎にも、アイテムの一つとして登場している。
出典 ニコラ・プッサン – Wikipedia

★ラスメニーナス(女官たち)

ディエゴ・ベラスケス(スペイン)
舞台はフェリペ4世のマドリード宮殿の大きな一室。スペイン宮廷人の様子を、スナップ写真のごとく、瞬間的に切り取って、写し描いた作品。
一番左の男性がベラスケスならなぜ彼は王女を描けない位置に立っているのか…。
出典 www.gettyimages.com

最初期の目録では『ラ・ファミリア(家族)』として登録されている
出典 ラス・メニーナス – Wikipedia

19世紀になってDon Pedro de Madrazoにより、「Las Meninas」と名付けられた、
出典 ベラスケスの「ラス・メニーナス」 | 美術のQ&A【OKWave】

絵が完成した年が1656年なので、200年ほど後に改題されたことになる。なぜ、王女が際立つ作品を後世になって「女官たち」と名づけたのかは謎。

王室に仕えるという画家の自負と、真実的な自画像の意味合いを、あたかも(本作を)観る者へ視線を向けるような姿で表現したものであるとの説が有力視されている。
出典 http://www.salvastyle.com/menu_baroque/velazquez_lasmeninas.html

今の所の有力な説だが…

犬に足を乗せている少年はニコラス・ペルトゥサトという名前で、画面が途切れているために分かりにくいのですが、彼の背骨は曲がっています。
出典 No.19 – ベラスケスの「怖い絵」:クラバートの樹:So-netブログ

その隣の正面を向いた女性はマリア・バルボラと言い、頭部と身長のアンバランスによって矮(わい)人症の女性だとすぐに分かります。
出典 No.19 – ベラスケスの「怖い絵」:クラバートの樹:So-netブログ

なぜ、障害を抱える少年と女性を存在感のある仕方で(見方を変えれば王女よりも目立っている)描かれたのかが謎。

多くの批評家や美術愛好家が古典絵画の傑作として認めてきた作品でもあり、今なお人々を魅了し続けている。
出典 http://www.salvastyle.com/menu_baroque/velazquez_lasmeninas.html

ベラスケスの「ラス・メニーナス」 | 美術のQ&A【OKWave】
その他、謎多数。

★プリマヴェーラ(春)

サンドロ・ボッティチェッリ(イタリア)
一番左の男性は、ローマ神話に登場する商業神マーキュリー。手前の白い衣装の3人はギリシア神話とローマ神話に登場する三人の美しい女神(三美神)中央はヴィーナス頭上には愛の矢をつがえるキューピット。ヴィーナスの右隣には春の女神のフローラ、右端には青白いギリシア神話の風の神ゼピュロスが花の女神クローリスを追いかけている。

近年の修復の結果、オリジナルの華麗な色彩がよみがえり、従来、煤(すす)に覆われてはっきり見えなかった多くの草花が、ヴィーナス(ウェヌス)の立つ地面に描き込まれているのが見えるようになった。
出典 サンドロ・ボッティチェッリ – Wikipedia

絵画は修復されたが…

結婚を祝う「愛」の絵であるとすれば、なぜ「ゼピュロス(西風)」は不吉な蒼白に描かれているのでしょうか。なぜ「死」を暗示する植物が描かれているのでしょうか。
出典 ボッティチェリの春 = プリマヴェーラの謎

左端のヘルメスは、一人そっぽを向いて何をしているのか?
出典 名画の暗号

「春」には様々な解釈がなされてきましたが、決定版と言える解釈はまだ存在していません。
出典 ボッティチェリの春 = プリマヴェーラの謎

絵の謎は多数残っている。

★牛乳を注ぐ女

ヨハネス・フェルメール(オランダ)
窓から入ってくる光を好んで描き、その光が作り出すニュアンスや色彩の移り変わりを丁寧に描写している。使用人の女性のスカートとテーブルクロスに使われているこの鮮やかなブルーは、フェルメールの特徴の1つ

当時のオランダの賃金労働者の平均年収が200ギルダーほどだったらしいのですが、フェルメールは1枚の絵の代金として300ギルダーをもらっていた
出典 フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展:日経ビジネスオンライン

かなり裕福な画家

最近では「フェルメール・ブルー」とも呼ばれることもあります。これは、ラピスラズリという宝石を砕いて作った大変高価な顔料でした。
出典 フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展:日経ビジネスオンライン

テーブル上により多くの食物を配するために、テーブルを長方形ではなく台形状に描いている。
出典 http://www.salvastyle.com/menu_baroque/vermeer_milkmaid.html

テーブルの形もあえて歪ませている。

問題は、なぜフェルメールはあえてそうしたのか。そしてそれは絵画としての質を落とすことになるのではないか、という疑問である。
出典 本日記: フェルメールの秘密 - 藤田令伊『静けさの謎を解く』

…さらに?

女性の右手とミルク壺の間の部分
ミルク壺を持つ右手や青いエプロン、それに壺から流れる牛乳などとにかく丁寧に丁寧に表現されているのに対して、問題の箇所だけ「ざざっ」と塗りたぐったように見えます。後ろの壁が見えているにしては色合いが変です。
なぜここだけ荒々しく描かれているのか?

★アルノルフィーニ夫妻の肖像

ヤン・ファン・エイク(フランドル)
友人アルノルフィニ夫妻の結婚を祝して描かれたものと言われている。奥の壁に掛けられた凸面鏡には映った画家の姿があり、その上部には「ヤン・ファン・エイクここにありき」の文字がある。画家の揺ぎ無き細密描写への自信が示されている。

新婦が頭に被っている白いレースの飾りは、純潔を表し、緑色の衣服は、献身を表す
出典 神の手を持つ画家ヤン・ファン・エイク(2) | ムッシューPの美の探究

ただ新婦の衣裳が、まるで妊婦のように、腹部が膨らんでいて、妊娠(あるいは妊娠祈願)を表しているという説もありますが、当時流行のファッション衣服という説もあります。
出典 神の手を持つ画家ヤン・ファン・エイク(2) | ムッシューPの美の探究

脱ぎ捨てられたアルノルフィニ氏のサンダル
左下の拡大。つま先同士が揃っている。

夫妻の脱ぎ捨てたサンダル(サンダルを脱ぐことでそこが聖なる場所、婚礼の場所であることの意味になるのだそうだ。)
出典 隠れた怖さ、発見。 中野京子 【怖い絵 2 】 – ゆっくりと世界が沈む水辺で 〜 きしの字間漫遊記 〜

中央下に描かれているアルノルフィニ夫人のサンダル
かかと同士がくっついた形になっている

アルノルフィニ氏のものはつま先同士がくっついた形に、アルノルフィニ夫人のものはかかと同士がくっついた形になっていることの意味は未だ謎なのだとか。
出典 隠れた怖さ、発見。 中野京子 【怖い絵 2 】 – ゆっくりと世界が沈む水辺で 〜 きしの字間漫遊記 〜

★いかさま師 (ダイヤのAを持った)

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(ロートリンゲン公国)
右端の初な若者に対して、左の3人がぐるになっていかさまを仕掛け、身ぐるみを剝ぎ取ろうとしているのが、緊張した面持ちと視線の動きでありありとわかる。

当時の悪徳の代表は賭博と飲酒と淫蕩だが、いかさま師、ワインを手にする召使い、豪華に着飾った娼婦の3人がまさに各々を体現している
出典 ミステリアスな名画の謎解きをルーヴルで|[決定版] ルーヴル美術館|CREA WEB(クレア ウェブ)

詐欺だけを描きたいわけではなかった。

制作年については1635-1638年頃とする説のほか、1632-35年頃とする説など研究者によって意見や見解が異なり、現在も議論が続いている。
出典 http://www.salvastyle.com/menu_classicism/latour_tricheur.html

なぜ議論されているかというと?

クラブのエースを持ついかさま師
同一のテーマを扱った作品が存在する。

「ダイヤ」と「クラブ」のどちらが先に描かれたかという点については、X線を使った科学的調査にもかかわらず、完全には決着がついていない。「クラブ」の方が先という見解がやや有力らしい。
出典 ラ・トゥールを追いかけて(11) – 時空を超えて Beyond Time and Space

★ブランコ

ジャン・オノレ・フラゴナール (フランス)
美しい森の中でぶらんこに乗る若い娘と、それを押す中年の男、そして若い娘のスカートの中を覗く若い男の姿が描かれている。

当時は後に「ロココ時代」と呼ばれる、愛と恋、エロスに彩られた時代。そして『ぶらんこ』の端々には、エロスのモチーフが溢れています。
出典 KIRIN~美の巨人たち~

庭園に設けられたぶらんこに乗る若い女と、それを低い位置からのぞき見る、愛人の貴族男性を描いたものである。ひとつ間違えば下世話になりかねない主題を品良く描いている。
出典 ジャン・オノレ・フラゴナール – Wikipedia

しかし、ロココ絵画のこうした軽薄な画題は一部批判を招いた。

もともとはフラゴナールにではなく、ドワイヤンという歴史画家に依頼しました。男爵の注文はこうです。「自分の愛人がぶらんこに乗り、司教がそのぶらんこを揺らしている。私(男爵)は愛人の脚がじっくり見られるところに登場する」
出典 フランス革命 あ・ら・かると ファッション

この注文にドワイヤンは憤慨し、フラゴナールを男爵に紹介します。フラゴナールは喜んで引き受けました。ただし、ぶらんこを押すのは司教でなく、愛人の夫に代えました。
出典 フランス革命 あ・ら・かると ファッション

靴を飛ばす若い女

この絵の一番のポイントである脱げたサンダルが空中を飛ぶ、という案は、ドワイヤンが出したもの
出典 フランス革命 あ・ら・かると ファッション

激怒して男爵の注文を断ったドワイヤンがフラゴナールの遊び心になぜ付き合ったのかが謎。