ザックが闘莉王ではなく、大久保嘉人を選んだ理由
ブラジルW杯日本代表23人が決まった。欧州組は順当に選ばれ、落選のサプライズはなかった。しかし、やはり今回も選出のサプライズはあった。
父の命日に決めた代表選出
5月12日は父の命日であり、本人も前日故郷の福岡の墓前の前で手を合わせた。去年亡くなられた父親の良い報告になっただろう。
選出された23人の代表メンバーは以下のとおりである
【GK】川島永嗣(スタンダール)
西川周作(浦和)、権田修一(FC東京)
【DF】長友佑都(インテル・ミラノ)
内田篤人(シャルケ)
吉田麻也(サウサンプトン)
今野泰幸(G大阪)
森重真人(FC東京)
酒井宏樹(ハノーバー)
酒井高徳(シュツットガルト)
伊野波雅彦(磐田)
【MF】遠藤保仁(G大阪)
長谷部誠(ニュルンベルク)
山口蛍(C大阪)
青山敏弘(広島)
【FW】本田圭佑(ACミラン)
香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)
清武弘嗣(ニュルンベルク)
岡崎慎司(マインツ)
柿谷曜一朗(C大阪)
大迫勇也(1860ミュンヘン)
斎藤学(横浜M)
大久保嘉人(川崎)
こうやって改めて並べてみると、ザック体制ではアイスランド戦のみだった大久保嘉人のサプライズ選出が光る。
なぜ、闘莉王は選出されなかったのか
国際大会においてベテラン勢は全体のバランスを取る上でいいカンフル剤になる。前回大会では出場機会こそなかったものの、W杯経験者の川口能活が選ばれ陰でチームを取りまとめていた。
もちろんプレーするのはフィールドの選手だが、精神的な陰の支えが、16強という結果に繋がったと言っても過言ではない。
そういう意味では闘莉王も当落線上にあったと思うし、ザックの頭のなかにもあったと考えられる。
しかし、冷静に振り返ってみると前回大会を終え、アルゼンチンにサプライズ勝利した時から大久保嘉人の選出は決まっていたのかもしれない。
つまり、一貫して4年間ザックの攻撃的サッカーを中心に動いていたという事実があるからだ。
前回大会で浮き彫りになった得点力不足、だから協会もACミランを攻撃的サッカーで優勝に導いたザックに監督要請した。
組織を構築するにあたって、一貫性は大事だ。世論が大量失点を叩いても、日本が監督としてザックを選んだ時から骨格になっていたのは守備から1本の線で得点につなげるパスサッカーだ。
守備の要のCB吉田、SB長友、内田、ボランチ遠藤、長谷部、MF本田、香川…。考えてみると、その骨格部分、中心線はほとんど揺らいでいない。
そんな固定メンバーが4年間にもたらした功績は大きい。今やあうんの呼吸でどのポジションからでもゴールを量産できる。
以上のことを考えると、CBの闘莉王より、得点を量産しているベテランが選出されたのもうなずける。
なぜ、大久保嘉人は選出されたのか
今から当たり前の事を言う。最大の理由は「点を獲っているから」だ。
個人的に注目したのは得点の持続力だ。
誰でもキレッキレのコンディションで、一時的に得点を量産できる選手はJリーグにもたくさんいる。しかし、昨季得点王に輝いた男が今季も好調を持続しているというのは、攻撃的サッカーのFWコンディションという意味では光るものがある。
特にACLでコンディションが悪い中での2得点は圧巻だった。国際舞台でもブレないゴールへの嗅覚に大久保の器用さをみることができる。
器用さで言えば、攻撃的FW、守備的MFなど複数のポジションをこなせることも強みだろう。
前述の骨格においてFWを引用しなかったのは、柿谷1人ではかなり心許ない現状があるからだ。彼の前線での飛び出しや大迫のポストプレーは武器になるが、やはりパサーが出したいところにいち早く回りこみ、得点力を奪う大久保はザックにないカードであるし、一本の線と考えてみても彼の戦術理解度の高さは大きな武器になる。
今期絶好調の岡崎とともに空いたスペース、遠藤や本田がここに出したいところに必ず顔を出す選手として大久保との2枚岩は大きい。
また、彼は”やんちゃ”というイメージがあるが、今では落ち着いてインタビューに答えているのも彼が器用さに加えて、メンタル面で成長したからだろう。
後は、どこで大久保を使うか…。ザックの采配も疑問視する声がある中、大久保や齋藤学などのFW陣を戦況によってどう起用するのか…。手腕が問われるところだ。
今日のまとめ
父の命日にサプライズ選出!大久保嘉人がサッカーW杯代表入り!
相変わらず丁寧かつ分かりやすいmonet333さんのまとめと
「みんな知りたい!」大久保嘉人が代表メンバーに選出された理由
私が作成したまとめで、現状を理解して頂きたいと願う。
Numberは人気のある号はすぐに売り切れるので、この2冊はまず買いだと個人的に考える(私はもちろん買う)
↑↑ブラジルW杯カウントダウン 世界王者だけが知る、頂点への方程式。
NumberW杯特集号
日本代表 全23人の野望
独占直撃
本田圭佑 「それでも優勝を狙う理由」
主将に問う
長谷部誠 「世界を驚かせる準備」
キーマンの決意
香川真司/柿谷曜一朗/内田篤人/長友佑都/岡崎慎司/遠藤保仁
秋田豊のCB道場
吉田麻也/今野泰幸/森重真人
スペシャル2大対談
中田英寿×ラムシ(コートジボワール監督)
岡田武史×関塚隆
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません